サガン鳥栖U-18のチームと選手を紹介/2019年日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会時

サガン鳥栖U-18のチームと選手を紹介/2019年日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会時

サガン鳥栖U-18

2019年7月、クラブユース選手権にて観戦。

システム:ダブルボランチ型4-3-3
---------17 田中 禅----------
11 相良 竜之介----------14 兒玉澪王斗
---------10 本田風智---------
------7 西田結平---6 盧泰曄------
3 大畑歩夢-15 永田倖大-4 松井直人-19 中野伸哉
---------1 板橋洋青----------


後方からボールを回して組み立てるのが基本スタイル。
センターバックの永田と松井が大きく開き、
その間にゴールキーパー板橋が上がる。
この3人でボールを回しながら少しずつ押し上げる。

そのまま押し込めるようなら、両サイドバックやボランチ経由で、相良と兒玉の両ウイングにボールを繋ぐ。
激しくプレスが来るようなら、板橋のロングパスでフィジカルに優れボールを納められるワントップ田中を直接狙う。

両サイドバックの大畑と中野は、中間ポジションでバランスを取ることが多かった。
両ウイングの相良と兒玉が大きく開き、サイドで幅を取る。
中盤を省略しがちなことも相まって
田中・相良・兒玉の攻撃陣にボールが渡るタイミングでは
孤立こそするが一対一のシチュエーションを作れていた。

複数人で連動して崩すよりも、単騎突破にチャレンジすることが多い。
それをトップ下の本田が必ずフォロー。
攻撃人数の割には二次攻撃にも繋げられていた。

クラブユース選手権の準決勝と決勝では、9秀島悠太をベンチスタートさせ
後半途中から展開を加速させるゲームプランを用意できていたのも特徴。
馬力のある突破でゴールに迫る切り札となった。

守備面では、U代表のゴールキーパー板橋が中心となり安定。
守備陣がリスクを負って前に出たりはしないので
センターバックの永田と松井、キーパーの板橋が仕事に専念することで
分かりやすい攻撃からのシュートはノーチャンス。

ディフェンスが安定する一方、
キーパーを使うビルドアップにチャレンジするため大きなリスクを負う。
実際に、決勝の名古屋グランパス戦では危険なパスミスが複数回発生、失点に繋がっている。
ビルドアップのディティールにはまだ大きく伸び白がある。

また、前線の選手同士の距離が遠いポジションをとるため
ネガティブトランジションでプレッシャーを掛けられず
危険エリアに簡単にパスを通されることが多い。
結果、ダブルボランチのカバーが追いつかず、中央からのチャンスメイクを許してしまう。

攻撃面では、突破は出来るもののシュートパターンがもう少し欲しかった。
また攻撃バリエーションに乏しいのも課題。
マッチアップ相手との能力差があったり、劣勢の流れであったりしても
良くも悪くもスタイルを貫き続け、チャレンジ回数の割には決定機数が少なく感じた。


17 田中 禅 2年

身体能力と体格に優れる、ワントップらしさのある左利きFW。
泥臭く粘り強いプレーが出来るのが最大の特徴。
味方フォロー状況や、シチュエーションの有利不利とは無関係に
身体を張り続ける献身性とメンタルを持ち合わせる。
最前線で厳しいプレッシャーに晒される中でも
相手のチェックから逃げずになんとかボールを保持しようとするだけでなく
あわよくば入れ替わって前進しようとする狡猾さと姿勢がステキ。

相手を背負ったり、半身で身体を預けるプレーが上手。
競り合いに強くリーチもあるので、
無理やりボールを収めたり
相手を吹き飛ばすような力強さがある。
長身を生かしたヘディングシュートも得意で、
自分の強みや弱み、特徴や役回りへの理解が伺える。

もっと強引で貪欲なストライカーらしい振る舞いが出来るようになったり
ボールキープして溜めを作って見方を使う側になる等の成長を期待したい。

10 本田風智 3年

ボランチとトップ下をこなす、インテリジェンスに優れた現代型MF。
分かりやすく明確な武器を持つサガン鳥栖U18の攻撃陣の中で、
一瞬見ただけでは特徴がつかみにくいが、
ゲームから消えることが少なく
ボールマンとしてもフォロワーとしても関与し続ける。

常に勘所を心得た仕事ぶりが印象的。
恐らく戦術理解度や対応力・応用力が高く、
常に考えて試行錯誤しながらプレーできる選手。
テクニックも高く、狭いエリアでも細かいボールタッチで自ら仕掛けられるだけでなく
急所を突くパスで味方を操り決定機も作れる。
サイズは170センチと小さいが、競り合いには比較的強く、
足元の技術も確かなので、多少のチェックではボールロストしない。

より個の力が要求されるプロの舞台を意識するならば
劣勢を跳ね返せるようなスペシャルなスキル、
ゲームメイク力や展開力、中盤でのフィルター役、前線での打開力などを
今以上に2種年代での舞台で披露したい。

11 相良 竜之介 2年

左サイドからのドリブル突破が得意なサイドアタッカー。
スピードとテクニックとアジリティに優れ、
細かなタッチのドリブル突破は分かっていても止められない。
対面の相手を抜き去りペナルティエリア内まで侵入し決定機を作れる。

スタイルこそドリブラーだが、縦への突破とカットインの両方を武器とする。
ボールを持つと相手に向かって仕掛ける積極性もある。
また周囲と連動しながら自らのスピードを生かし
相手の裏へ抜け出してボールを受けるパターンも持つ。

足元からボールが離れないボールタッチや自身のアジリティの高さもあるとは思うが
一対一の局面では相手が間合いを取りにくそうで
簡単に逆を取って相手を剥がしているように見えてしまうのが凄い。

 

3 大畑歩夢 3年

左サイドバックとしてスタメンも、途中からボランチに移動。
ポジショニング含めた守備に関連した能力が高く
起用ポジションを問わずにゲームに安定感を与えられる。
相手の攻撃に対する準備に優れ、広範囲をカバーしたディフェンスを見せる。
足元の技術面でも水準以上で総合能力が高い。

チーム戦術もあるので見えにくかったが
恐らく攻撃力が高いわけではなく
サイドバックとしては仕掛けるプレーやロングフィード、
ボランチとしてはゲームメイクや展開力があれば強そうなので
ボールを持ったときのプレーを見てみたい。

19 中野伸哉 1年

年代別代表に選ばれ続け、将来を期待されるプレーヤー。
左利きだが右サイドバックとして起用、
クラブユース選手権決勝戦では途中から左サイドバックへポジションチェンジした。
年代別代表では攻撃的MFとしても起用される。

まだ1年生ながら総合的に能力が高く
本来のストロングポイントではない守備でも破綻無し。
対面での玉際の守備だけでなく、
攻撃的な選手にありがちな無理に飛び込むようなプレーも無く
技術やポテンシャルに頼ったプレーをしないところにも魅力がある。

攻撃では、まるで両効きの様にプレーすることもあってか
後方からのビルドアップで詰まることが少ない。
またスピードにも優れ、機を見た攻撃参加でサイドを突破できる。
ジュニアユースや年代別代表での使われ方からしても
恐らく攻撃的なポジションの方が本人の適正としては高いはずだが、
ユースに在籍する残り2年半でどう成長するかが楽しみ。

9 秀島悠太 3年

ベンチスタートとなった秀島悠太だが、本来はスタメンクラスの選手。
守備面でのウィークポイントを考慮されたようで
切り札として途中出場する役割を担った。

本来はフォワードの選手で、適正面でもサイドやハーフではなくトップ向き。
恵まれた体格と力強い右足キックを生かしゴールに迫る。
準決勝と決勝では、途中出場から左ウイングの位置に入ると
細かなタッチのドリブルで相手を抜き去る相良とは違い
力強く相手と競り合いながら突き進むアタッカーとして機能。
左サイドからカットインしてからの右足シュートは強烈だった。

目に付くのが体格の良さ。相手よりも一回り大きく見える。
流れの中でもサイドで身体を張って受け手となるだけでなく、
ゴールキックやロングフィードのターゲットとしても機能した。
ストライカーやアタッカーの雰囲気を持つ選手で
左サイドからゴール前に侵入してチャンスに絡むことが出来、
強靭な肉体を生かして相手を吹き飛ばしながらシュートまで自ら持ち込める。

5 西村洸大 3年

年代別代表に選ばれた経歴を持ちながらもベンチスタート。
腕を怪我してたっぽい?のでその影響かもしれない。

ボランチとして必要な能力を持ち合わせる。
守備面では広範囲のカバーリングや鋭いボールアプローチで
相手にボールを入る瞬間を狙っていける。
攻撃面では短距離と中距離のパスを使い分け、サイドチェンジや楔のパスで展開を加速させる。
冷静かつ正確なプレーが印象的。
ピンチやチャンスのシーンで、きちんとゲームに参加できる選手。

1 板橋洋青 3年

恐らくこの年代ではトップクラスの実力を持つゴールキーパー。年代別代表。

ゴールを守るという能力が極めて高く、
きわどいコースのシュートに対してもセーブでき、決定的なシーンを幾度も防ぐ。
またハイボールへの処理も良く、コーナーキック含むセットプレーやクロスボールへの対応に優れる。
純粋なセービング能力の高さのみでなく相手の攻撃に対する準備を怠らない選手であり
かつ冷静に我慢して待つことが出来るので、
わかりやすい単純な攻撃からの失点を許さない。

サガン鳥栖U18は、この板橋が、両CB間に上がってビルドアップに積極的に関与するスタイルをとる。
足元の技術やビルドアップ能力に長けているわけではないが
そこからのロングキックは、球筋こそもう少し改善の余地がありそうだが、精度も狙いも良い。

すでにゴールキーパーとして完成度が高く、スタイルも本格派。
シュートやクロスに対してのセーブ以外のスキル(コーチング含め)を身につけるか、
あるいはこのまま正統派で進化し続けるのかは分からないが
ポテンシャルは高いので、小さくまとまるプレイヤーになってほしくないと思う。

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